まず大事なこと。
ラウンジや機内でスタッフ・クルーに乱暴・横柄・下品な態度や、無理難題を要求するのは見ていて見苦しいです。これは容認されるものではありません。と同時に、自分も気を付けなければとも思います。
しかしながら、そういった人はどうしても目に付くものです。世の中には、残念ながら一定数そういった人たちが存在することも事実です。
修行で上級会員になった人は下品で横柄?
私が当記事を書こうと思ったのは、こちらのプラチナハンターさんの記事を読んだからです。
こんにちは、プラチナハンターです。 先日アップした下の記事のPVがものすごいことになっていて、理由が分からないままモヤモヤしています。
【JGC】エアライン修行は恥ずかしいことなのか【SFC】 - platinum-hunter
プラチナハンターです。 昨日の記事にも書きましたが、『エアライン修行は恥ずかしいことか』は大変な反響をいただきました。
【JGC】『エアライン修行は恥ずかしいことか』にいただいたコメントの分析【SFC】 - platinum-hunter
プラチナハンターさんは修行僧に対して否定的なコメントに対しても冷静に返答されていて素晴らしいと思います。
私が言えた事ではないかもしれませんが、確かに昨今の航空会社上級会員を目指す人が増えていることは、ブログ数の増加やその他SNSの盛り上がりを見ても事実だと思います。最近ではテレビでも修行僧の存在が取り上げられていますね。
上級会員が増えれば、1人当たりに割ける時間・設備・スタッフが減ります。その結果サービスの低下を招きます。これに対して不満が溜まり、トラブルの種となるのもわかります。そこから修行僧のせいだ!となるのも自然な流れでしょう。
数字の上から下品で横柄な人が増えたように感じる理由を考える
上級会員が増加したからラウンジ等のサービスが低下した。これは感覚的にわかります。
しかし冷静に数字や確率論から考えていくと、ちょっと面白い結果が出てきます。
例え話です。数値は簡素化しています。
仮に、上級会員の中に100人に1人の割合で下品な振る舞いをする人(以下㊦)がいたとしましょう。
ラウンジには1日あたり10人来るとしましょう。
1日(1回)に10人がラウンジを利用すると、10回に1回の割合で㊦に遭遇することになりますね。
その際に㊦と遭遇して嫌な思いをする人は9人です。
イメージ的にはこんな感じです。
○・・・気持ちよく利用できた人
●・・・嫌な思いをした人
㊦・・・下品で横柄な人
嫌な思いをする人9人 確率9%
では上級会員が増加して、1日に20人がラウンジを利用するようになりました。
ラウンジの利用者が増えたので、5日で合計100人の利用者がいます。従って、5回に1回の割合で㊦に遭遇することになります。
そして、1回に19人の人が㊦に遭遇することになります。
10日あると、合計200人がラウンジを利用することになりますので、㊦は10日間で2回ラウンジを利用することになります。
となると、10日間で38人の人が㊦と遭遇し、嫌な思いをすることになりますね。
図にすると・・・
嫌な思いをする人38人 確率19%
ラウンジの利用者は2倍になっただけなのに、嫌な思いをした人は4倍以上に増えました。
では極論、ラウンジ利用者が1日100人だったら?
㊦が平均的に来たとすると1日1回、つまり毎日来るようになるので、嫌な思いをする確率100%です。10日間の利用者1000人のうち、㊦を除いた990人が嫌な思いをします。利用者は10倍ですが、嫌な思いをする人は110倍になるんですね。
ちょっと意外ではないですか?
これが確率論から見た、下品で横柄な人が増えたように感じる原因です。
ツイッターでも、こんな横柄な人に遭遇した・・・なんてツイートが流れてきたりします。仮に上の例において、9人に1人がツイートしたとします。1日10人の時は1人がツイートするだけですが、1日100人の利用になったら110人が嫌な思いをしたとツイートします。
利用者数は10倍にしかなっていないのに、「嫌な思いをしたツイート」に遭遇する確率が110倍になるのです。
数字のマジック
修行で上級会員になった人に横柄な人が多いかどうか、それは調べようがありません。実際にそうなのかもしれませんし、もしかしたら出張等で上級会員になった人のほうが横柄な人が多いかもしれません。
ただ、属性によって人柄がどうこう言う前に、単純に利用者が増えれば横柄な人は増える。その人に遭遇する確率は、利用者増加の割合よりも爆発的に増加する、という事を理解していただけたのではないでしょうか。
ラウンジにしても機内にしても、もちろん一般社会においてもお互いに気持ちよく過ごせるよう、努力していきたいものです。