アメリカ大統領がトランプ氏に決まった後、ドル円相場がほぼ一方的に円安に動いています。
振り返ってみると、選挙前はトランプ氏が当選したら円高になるといわれていました。少し過激な予想では1ドル=90円なんて声も聞かれていました。
しかしふたを開けてみると、開票直後は円高に進んだものの、1ドル101円台から切り返し、11月19日現在では1ドル110円台です。
要因はいろいろ考えられますが、当選後のトランプ演説がまともだった事、日銀が低金利政策を進めていることと言われています。(正直為替相場における要因探しは後付け感が強いのであまり好きではありません。そもそもトランプになったら円高って言ってたじゃないかって話です。)
円安のSFC修行に与える影響
日本人から見ると、単純に海外の物価が上がります。1割円安になれば1割物価が上がります。外貨建て決済の航空券・ホテル代・現地交通費・入場料などが軒並み上昇します。すべての物価が上昇するので、意外と馬鹿になりません。
こちらは米ドル円の過去1年間の値動きです。おおむね下落トレンドであったのですが、大統領選挙後の円安でトレンドが転換したように見えます。
しかしドル円が円安になったからと言って、SFC修行でアメリカに行く方ってそれほど多くないですよね?せいぜいエアチャイナのホノルルぐらいでしょうか。
そこで、SFC修行で行かれる方が多いと思われる、シンガポールとオーストラリアの為替相場を見てみたいと思います。
シンガポールドルとオーストラリアドルのチャート
こちらはシンガポールドル円の過去1年間の値動きです。上のアメリカドル円と見比べてみると非常に似た動きになっていることがわかります。
わたしはもしかしてドルペッグ(ドルとの固定相場制)かとおもったのですが、調べてみるとシンガポールは通貨バスケット制というものを採用しているようです。他国との貿易や物価上昇率など様々な要因から為替レートを決定するものです。1つ勉強になりました。
SFC修行においては、米ドルとほぼ連動すると覚えておけばよさそうです。したがって、米ドル円が円安になると日本人にとってシンガポールの物価が上がると言うことですね。
次にオーストラリアドル円です。
オーストラリアドルも直近は円安傾向です。しかしアメリカドルほどの勢いはなく、大統領選挙前の10月ごろから円安が進んでいるように見受けられます。
もう一つチャートを貼りました。こちらはオーストラリアドルの10年分のチャートです。最も円安になっているのが2007年から2008年ごろ、要するにリーマンショック前の1年くらいです。続いて2013~2014年末ごろが円安のピークになっています。その頃と比べると、現状のオーストラリアドルは円高で、日本人にとってはお得な時期と言えそうです。ANAがシドニー直行便に就航したのは2015年12月ですから、良い時期に就航したなと言う感じです。
おまけでマレーシアも見てみる
私はクアラルンプール発券のビジネスクラスを予約しているので、おまけとしてマレーシアリンギットの為替相場も見てみたいと思います。
こちらはいきなり10年チャートを貼りました。これを見ると、現在は過去10年でも最安値圏にあるのがわかります。2015年には36円近かったのがここ2年で一気に25円になっています。金額としては11円ですが、割合に直すと約30%の円高です。ドル円に直すと110円が77円になる位の変動ですので、変動の大きさがお分かりいただけると思います。物価が一定とするならば、30%引きでマレーシアで買い物が出来ることになります。これならクアラルンプール発券が安いのも納得ですね。
ちょっと気になる燃油サーチャージの基準
円安でもう1つ気になるのが、燃油サーチャージです。
ANAの場合、直近2カ月のシンガポールケロシン平均価格×ドル円相場が6000円を超えると燃油サーチャージが発生する仕組みになっています。現在の1ドル110円という相場だと、1バレル54.54ドルが燃油サーチャージが発生するかどうかの境目です。
国内線は基本的に燃油サーチャージはありませんが、結局航空券代に含まれているでしょと言われればそれまでです。一般消費者が航空券代金の何%が国際線の燃油サーチャージにあたる金額かを知ることはできません。FDAは国内線でも燃油サーチャージ制度を設定しています。(今のところ0円ですけどね)
以前燃油サーチャージが廃止された時、同じくらい航空券代が上がっていて、意味ないじゃんと思った記憶が薄っすらあります。しかし燃油サーチャージは、通常の価格改定では追い付かない為替や原油相場の変動に対応するものですから、これはこれで正しいとも思えます。
私がSFC修行を2017年に行おうと思ったのは、燃油サーチャージが0円だということも要因の1つとなっています。
今後の為替相場、原油価格、そして燃油サーチャージの行方が気になる所です。