ANAは5月28日まで旅割Xタイムセールを開催しています。
販売期間は5月26日~28日、対象搭乗期間は8月1日~8月8日です。
対象路線は?
今回の旅割Xタイムセールは特定の方面と言う印象は無く、すべての路線が対象と言うわけではありませんが、全国まんべんなく設定されたような印象を受けます。
羽田発着:大阪・福岡・那覇・紋別・根室・釧路・函館・秋田・高松・松山・宮崎
成田発着:札幌・福岡
大阪発着:伊丹⇔札幌・仙台 神戸⇔札幌
中部発着:女満別・旭川・宮古・石垣
福岡⇔札幌・那覇 仙台⇔那覇
セール対象便は限定されており、すべての便でセール価格が設定されるわけではありません。
価格は8000円~9000円台が中心ですが、東京⇔大阪は7000円の設定です。
そして今回の目玉、中部⇔鹿児島が5000円で販売されます。これが当記事の本題であり、詳しくは後述します。
旅割Xの注意点 マイル・PP積算率が50%
旅割Xはマイル・PPの積算率が50%です。今回設定された最長路線は仙台⇔那覇ですが、旅割Xでの積算PPは1130PP、運賃が9900円なのでPP単価は8.76円/PPにしかなりません。
スカイマークを狙い撃ちの名古屋⇔鹿児島便
今回考察したいのは、名古屋⇔鹿児島間についてです。
名古屋⇔鹿児島の旅割Xタイムセール、片道5000円はかなり破格の運賃ですが、これは先日就航を発表したスカイマーク名古屋⇔鹿児島⇔奄美大島便への対抗運賃と思われます。
こちらはセール対象日前後の名古屋鹿児島間の運賃です。なおセール開始前に記事を書いているのでまだ運賃は反映されていません。
注目していただきたいのは金額ではなく、セール対象便の時刻です。
対象となっているのは鹿児島行きがANA351・355便、名古屋行きがANA354・360便です。それぞれ時刻は・・・
名古屋発鹿児島行き・・・ 08:05発(351便) 14:50発(355便)
鹿児島発名古屋行き・・・ 12:40発(354便) 20:30発(360便)
これを先日発表されたスカイマークと比較してみます。
鹿児島便だけ抜き出してみると・・・
名古屋発鹿児島行き・・・ 07:50発(635便) 15:05発(637便)
鹿児島発名古屋行き・・・ 13:10発(636便) 20:00発(638便)
これをANA便と並べてみると
名古屋発
07:50(SKY)
08:05(ANA)
10:30(ANA:セール対象外)
14:50(ANA)
15:05(SKY)
18:30(ANA:セール対象外)
鹿児島発
10:00(ANA:セール対象外)
12:40(ANA)
13:10(SKY)
16:55(ANA:セール対象外)
20:00(SKY)
20:30(ANA)
ANAが旅割Xのセール対象便とした便は、全てスカイマークの発着から前後30分以内の便です。スカイマークの飛んでいない時間帯はセール対象外。民間の営利企業とは言え、かなり露骨な対抗運賃です。
後出しじゃんけんで先に発売
スカイマークの鹿児島・奄美大島便就航発表が5月14日でした。就航日は8月1日から。そしてANAの旅割X対象日も8月1日からです。しかもスカイマークの当該航空券販売・セール開始は6月1日。ANAは先立って5月26日から対象日のセールを始めてしまいます。
もし5月26日からのセールで航空券が購入できれば、スカイマークでもう1回と言う方はなかなかいないでしょう。複数回飛ぶとすればビジネス旅客ですが、ビジネス利用の方はANAに乗り続けるでしょうし。
エアドゥ参入時と重ねてしまう
この構図、記憶にある方もいるかもしれません。新規参入会社の出発時刻前後の便のみ値下げする手法、エアドゥが羽田新千歳便に参入した当時とそっくりです。そのエアドゥがどうなったか。結局経営が立ち行かなくなり、今ではANAの提携会社です。
価格競争はありがたいが・・・
消費者としては価格競争の結果運賃が安くなるのはありがたいですが、ここまで露骨に対抗運賃が設定されると少し違和感も感じます。出発が数時間違うだけで何倍も違う運賃、それってもう少し下げられるんじゃないの?と思う事もしばしばです。
とはいえ、消費者は与えられた選択肢の中で利用するしかありません。幸いにも中部国際空港はエアアジアの参入で札幌路線が値下がり傾向、そして今回の鹿児島便と、うまく利用できる方にとってはありがたい限りです。
実は私もスカイマークで鹿児島行きを計画していましたが、スカイマークからANAに変更を検討しています。スカイマークの最安運賃は3600円。ANAは5000円。マイルやラウンジの利用等を考えると1400円出してもANAの方が良いですよね。
ANAのセール対象日は一応8月8日までという事になっていますので、それ以降はそれなりの価格という事になると思います。それに対してスカイマークはどのような戦略に出るのでしょうか。
札幌便に続いて、鹿児島便でも中部国際空港が戦国時代です!
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