SFC修行僧に衝撃的なニュースが飛び込んできました。
2018年10月1日より、ANA国際線航空券に付随する国内区間のマイル・PPの積算率が変更されます。
現在の国内線区間の積算率は航空券の種類を問わず100%
現在のANA国際線航空券に付随する日本国内線のマイル・PPの積算率は(ファーストクラスを除き)航空券の種類を問わず100%です。これは国際線区間が100%積算の航空券でも30%積算のセールや旅作用のエコノミー航空券でも変わりません。
2018年10月以降の積算率
しかし、2018年10月からは以下のように変更されます。
このように、搭乗クラスによって積算率が細分化されます。
積算率変更の理由
これは想像の域ですが、あまりにもSFC修行僧が増えてしまった事が理由だと思われます。本来の利用者が航空券を予約できなかったり、2週間+14日前に予約を確保する、今となってはあまりに有名になってしまった裏技で予約とキャンセルを繰り返すなど、こういった動きが目立ちすぎてしまったのでしょう。最近ではテレビ番組でも修行僧の存在が紹介されつつあります。また、SFCで利用できるANAラウンジの混雑も激しくなっています。
ANAも1民間企業ですから、沢山利用してくれるダイヤ・プラチナなどの上級会員を優遇し、修行年だけ利用が多い平SFCのサービスを低下させるのは当然の流れとも言えます。
日本国内線区間のブッキングクラスは国際線区間のブッキングクラスに連動する?
問題となるのは日本国内線のブッキングクラスが何になるのかですが、素直に考えれば国際線区間のブッキングクラスに連動するものと思われます。つまり、100%積算なら100%、50%積算なら50%の積算になるという事です。正式な発表ではありませんが、2017年10月に対象期間の航空券を検索できるようになれば明らかになります。
実際の獲得PPの変化をシミュレーション
SFC修行でよく使われるOKA-SINタッチで獲得PPをシミュレーションしてみましょう。
SINタッチで一番利用されるエコノミークラスのブッキングクラスは「S」と思われますので、こちらでシミュレーションしていきます。
こちらがこれまでのOKA-SINタッチです。日本国内区間は「B」となっています。
獲得PP | ブッキングクラス | |
那覇→東京 | 1968 | B |
東京→SIN | 2484 | S |
SIN→東京 | 2484 | S |
東京⇔那覇 | 1968 | B |
獲得PP: 8904PP
2018年10月以降はこうなります(予測)
獲得PP | ブッキングクラス | |
那覇→東京 | 984 | S |
東京→SIN | 2484 | S |
SIN→東京 | 2484 | S |
東京⇔那覇 | 984 | S |
獲得PP:6936PP
現在多くの日程で予約できる那覇⇔シンガポールの運賃は64110円ですので、PP単価は以下のようになります。
2018年9月まで :7.20円/PP
2018年10月以降:9.24円/PP
実に2円以上の悪化となってしまいました。
9.24円/PPとなるのであれば、PP単価が良いというメリットはほぼ無いものと思われます。シンガポールに行きたいという事でなければ、他の路線を利用するのが賢明です。
とばっちりを食らった格好の沖縄在住者
沖縄拠点の修行僧がどれくらい居るのか分かりませんが、沖縄拠点の場合どちらにしても東京(国際線出発空港)まで出なければなりませんから、とばっちりを食らった格好になっています。一般の方にとっては大抵の場合獲得マイルが少なくなるので、実質的な値上げではないでしょうか。
それでもOKAタッチする意味はある?
積算率悪化とは言え、5000円で片道の航空券が手に入るのであれば、羽田⇔那覇片道のPPは984PPですので、この区間に限って言えば5.08円/PPという単価を叩き出します。そもそも海外に行く予定であればOKAタッチをつける意味はあります。この場合は国際線区間のPP単価をどれだけ抑えられるかがポイントとなりそうです。
海外発券の魅力が上がる
日本国内線の使い勝手が悪いとなると、国内線に頼らない修行ルートの魅力が上がります。具体的には私が現在進行形で利用しているKUL⇔北米や、シドニー⇔ヨーロッパです。またはKUL発沖縄行きのプレミアムエコノミーもしくはビジネスクラスですね。
プレミアムエコノミーの競争率激化
プレミアムエコノミー利用の場合の国内線積算率が維持されるのであれば、これまでエコノミーを利用していた修行僧がプレミアムエコノミーを狙ってくるのは当然の流れかと思われます。これまで以上にプレミアムエコノミーが取りにくくなるのではないでしょうか。また、SFCの特典である当日空席がある場合に無料アップグレードも影響を受ける可能性があります。最近の流れから言って、平会員SFC持ちの無料アップグレード、特に連休や繁忙期は初めから無いものと思っておいた方が良いかもしれません。
エアチャイナビジネスによるSFC修行の魅力上昇
SFC修行のもう1つの流れであるエアチャイナビジネスクラスによるルートの魅力が相対的に上がるのではないでしょうか。2017年修行僧の中でも順調にこなせた方からは概ね好評なレポートがされています。エアチャイナの遅延リスクは常に言われていますので、許容できる方はこちらも選択肢かと思われます。
※古い記事ですので最新情報を参照してください
以前紹介したルートも活用できなくなる
少し古い記事を引っ張ってきてみます。OKA-SIN以外にも期間限定運賃などが発売された際にSFC修行として使えるのではないかと紹介したルートがいくつかありますが、これらのルートもメリットがなくなります。
国際線区間のPPはあまりよくないにもかかわらず、OKAタッチと格安運賃で修行路線となっていた上の記事のようなルートはSFC修行としては使えなくなります。(香港のビジネスクラス記事のような条件なら通常の旅行として行っても良い気もします)
現状で考えられる対応策
・2018年修行予定の方は9月末までに修行を終えてしまう
・国内線の関係ないKUL(東南アジア)⇔北米(またはSYD⇔ヨーロッパ)を利用する
・PP単価の良好な国内線各地⇔那覇・宮古・石垣等のプレミアムクラスや旅割75を利用する
・プレミアムエコノミーやビジネスクラスを利用する
・エアチャイナビジネスなど、スターアライアンス系航空会社を利用する
まとめ
2018年10月以降、2019年のSFC修行という点からはSFC修行新時代突入と言えるかもしれません。逆に言えば、制度変更までは数多くの修行僧が開拓してきたOKA-SINタッチや、OKA-SYDタッチを体験できる最後のチャンスとも言えます。2017年10月、あと2か月ほどで制度変更後の航空券が発売されます。実際にどのブッキングクラスになるのか、怖くもあり楽しみでもあります。
マイラー界やSFC修行界では制度変更との戦いでもあります。与えられたルールの中で自分にとって最適なルートや方法を見つけ、楽しみながら修行や旅行をしていきたいものです。
あとがき プレミアムエコノミー積算率70%化への不安
現状プレミアムエコノミーは旅作も含めどの運賃を利用しても100%積算ですが、ビジネスクラスのセール運賃のブッキングクラスが「P」で70%積算という事を考えると、セール運賃や旅作のプレミアムエコノミーが70%積算になっても不思議ではありません。プレミアムエコノミー積算率100%は修行僧にとって制度上の抜け穴とも言えますが、このような一般的に見て逆転している制度は修正されるのが世の流れだと思います。